慢性腎臓病の患者様というのは今、日本でどのぐらいの人数となっているのでしょうか?
今日は統計についてお話をさせていただこうと思います。

つい半年ほど前、厚生労働省によって発表された三年に一度の調査である「平成26年患者調査の概況」によると、日本の慢性腎臓病の総患者数は29万6000人だということでした。
男女差があり、男性は18万5000人、女性は11万人と、女性の方が少なめであることも分かっています。
「慢性腎臓病の総患者数」に値する定義は、定期的に治療を受けている患者数だそうです。

しかしこの数ですが、日本腎臓学会の発表しているものとはかなり異なります。
こちらは2008年と情報的に少々古いのですが、慢性腎臓病の総患者数は約1330 万人となっています。
少し昔の情報であるのにも関わらず、厚生労働省が発表したものを比較すると、かなり数に差があります。

これは、患者数を導き出す定義が異なるためです。
日本腎臓学会が行った第51回日本腎臓学会学術総会で、腎臓機能を評価するための新たな推算式であるeGFR式が発表されました。
約1330 万人という数字は、それによって明らかになった数字です。
軽度の患者や機能異常がみられない患者数も含まれているので、その分ちょっと多くなっているとはいえ、この計算式を元に出された中等度以上の腎機能低下のみられる患者数は、1000万人を超えています。

医療法人中央内科クリニック